
不動産の売却をして確定申告をするとき、不動産の取得費を証明する書類がなくて慌てている方も多いのではないでしょうか?取得費が不明なままでは、譲渡所得税が計算できません。こちらでは、不動産の取得費が不明なときの対応策と節税方法や注意点について解説していきます。
不動産の取得費とは?

不動産の取得費とは、不動産を取得するときにかかった費用の合計です。
不動産を売却したときには、譲渡所得を確定申告しなければいけません。取得費は、譲渡所得を計算するときに必要となり、譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)という算式で計算します。具体的に不動産の取得にかかる費用は以下のものがあります。
・土地や建物の購入代金
・建築費用
・仲介手数料
・印紙税
・登録免許税
・司法書士費用
・不動産取得税
・既存建物の解体費用
・土地の測量や造成費用
・一定の借入金利息
建物は時間が経つにつれて価値が下がるので、取得にかかった費用の合計から所有期間分の減価償却費を差し引いたものが取得費となります。
法人として事業に使用した不動産や、法人個人にかかわらず遺産相続の分割訴訟にかかった費用は取得費にすることができないので注意が必要です。
不動産の取得費が不明なときの計算方法

親や祖父母から代々受け継がれてきた不動産の取得費は、不動産を取得したときの売買契約書や領収書を元に計算しますが、代をまたいだり、時間が経過していることで、証明書類をなくしていることがよくあります。なくしてしまうと、取得費を計算することができなくなります。
そのときのために、概算取得費を使って、譲渡所得を計算することができます。概算取得費は、一律で売却価格の5%です。概算取得費を用いて譲渡所得を計算すると、譲渡所得=売却価格-(売却価格×5%+譲渡費用)という算式になります。概算取得費は原則として昭和27年12月31日以前から所有していた不動産に適用されるものです。
ただし、実際の取得費が概算取得費よりも高いことを証明できるときには、実際の金額を使用しても問題ありません。昭和28年1月1日以降に取得した不動産でも、譲渡所得の計算に概算取得費を用いてもかまいません。また、実際の取得費がわかっているときでも概算取得費を用いることができます。そのため、実際の取得費よりも概算取得費の方が高いというときには、概算取得費を用いることで譲渡所得を抑え、譲渡所得税の負担を減らすことができます。
昭和28年1月1日以降に取得している不動産のときは、概算取得費以外にも国税庁が公表している建物の標準的な建築価額表や日本不動産研究所が公表している市街地価格の情報を元に取得費を割り出すことができます。
不動産の概算取得費を用いるときの注意点

不動産の取得費が不明なときは、売却価格の5%を概算取得費として譲渡所得の確定申告ができます。ただし、実際の取得費よりも概算取得費の方が低かったとき、譲渡所得が大きくなり、譲渡所得税の負担も大きくなるので注意しましょう。
代々受け継がれている建物のような古い不動産は、減価償却分で取得費が減り、概算取得費で計算した方が税金が有利になる可能性が高いです。逆に、新しい不動産は証明書類を集めたり、建物の標準的な建築価額表や市街地価格を用いて取得費を割り出す方が節税できる可能性が高いです。
また、不動産の取得費が不明なため概算取得費で確定申告をしたとしても、あとで書類が見つかって取得費の証明ができるときは更生の請求ができます。ただし、概算取得費を使って計算をして納税したものの、建物の標準的な建築価格表や市街地価格で計算をした方が納税額が少なくなることがわかったときは建物の標準的な建築価額表や市街地価格を用いて更生の請求をすることができないので注意しましょう。
概算取得費を使うときは、その他の計算方法も確認することが大切です。
まとめ

不動産の取得費は、譲渡所得税の増減に大きく影響してくるので大切な項目です。取得費が不明なときの対応策、概算取得費や他の計算方法を上手く活用すれば節税になるので、しっかりと理解しておきましょう。
「エル・アンド・クリエイション株式会社」では、売却後も親身に不動産の相談にのらせていただいております。確定申告での不明な点も気軽に相談をいただいております。不動産の売却をお考えのときは、お気軽にお問合せください。
【監修者】エル・アンド・クリエイション株式会社 代表取締役 吉永邦昭
大手不動産ディベロッパーで、用地開発や取得から販売まで一連の業務に携わり、
建築設計業では意匠設計、大手ゼネコンの現場で建築設計の両面から設計に関わる。
2019年に会社設立して、東京と大阪オフィスにて全国の不動産の取り扱いをしている。
【保有資格】宅地建物取引士 ファイナンシャルプランニング技能士
相続診断士 空き家活用士 競売不動産取扱主任者 カラーコーディネーター