
不動産を売却すると年金受給額が減るという話を耳にしたことはありませんか?不動産売却が年金に及ぼす影響、年金の仕組み、売却した後の手続きや注意点について解説していきます。年金は保険とも密接に関わっていて理解することが難しいですが、正確に理解して不動産売却のタイミングを検討する材料にしてください。
年金の仕組み

年金制度は、国が運営する公的年金と個人や企業が任意で加入する私的年金があります。
公的年金は、日本に居住している20歳以上60歳未満のすべての人が加入して、老後や障害になったときなどのために備えます。老齢年金、障害年金、遺族年金の3つがあります。
公的年金の仕組みとしては、20歳以上の国民全員が加入する国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金の2つが柱となっており、加入した月数が長ければもらえる年金額も増えます。厚生年金の加入者は国民年金にも加入しているので、国民年金しか加入していない人よりも年金額が多くなります。
不動産売却すると年金支給額が減額する?

年金受給者が不動産売却で利益を得たとしても、年金支給額が減額することはありません。
年金は国民年金や厚生年金や共済年金や企業年金など様々な種類がありますが、年金支給額はいくら保険料を支払ったかによって決まってきます。年金受給者の前年の所得によって、支給額が変動する訳ではありません。60歳を超えても働いている人が受給できる在職老齢年金についても変動はありません。
あくまでも勤めている企業の給与や賞与を基に算出されるので、副収入を得ても減額されることはありません。
年金受給者が不動産売却するときの注意点

年金受給者が不動産売却して利益を得たときも年金受給額の影響はありません。ただし、前年の所得に基づいて判定することで年金受給額が減額になる例外もあるので注意しましょう。
障害基礎年金の受給者
前年の所得によって支給要件が決まる障害基礎年金を受給している方は減額や支給停止になる可能性があります。対策として、不動産の所有者を移すことを視野に入れた方がいいかもしれません。
国民健康保険の加入者
年金受給をしていて、国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度に加入している人が不動産売却したとき、国民健康保険料が値上げになる可能性があります。国民健康保険料も前年の所得によって金額が決まるからです。
国民健康保険料は年金から天引きされるので、いくら支払っているのか把握していない人が多いのではないでしょうか?
天引きされる保険料が上がって受け取り額が減ったときに、不動産売却によって年金受給額が減らされたと勘違いされることが、不動産売却で利益がでると年金受給額が減額するという噂につながっているのではないでしょうか?
国民健康保険料は年金から天引きされるので、いくら支払っているのか把握していない人が多いのではないでしょうか?
天引きされる保険料が上がって受け取り額が減ったときに、不動産売却によって年金受給額が減らされたと勘違いされることが、不動産売却で利益がでると年金受給額が減額するという噂につながっているのではないでしょうか?
年金受給者でも譲渡所得税と住民税はかかる

年金受給者であっても、不動産売却で得た利益に対して譲渡所得税と住民税がかかります。節税するためにも、不動産売却するときは、自分の不動産がマイホームや空き家の売却による3,000万円の特別控除を利用できるか確認をしましょう。
3,000万円の特別控除はマイホームや空き家の必要条件を満たせれば、不動産売却で得た利益から3,000万円を控除して、譲渡所得税や住民税を節税することができます。詳しくは下記のリンクの記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
また不動産売却が利益がでたら、年金受給者であっても確定申告をする必要があります。収入が年金のみのときは確定申告をしないので忘れがちですが、売却した翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行いましょう。
譲渡所得税は確定申告後に全額支払うことになります。申告期限までに譲渡所得税を納めないと、納付するまでの日数分の延滞税を支払わなければなりません。3,000万円の特別控除の適用を受けるためにも確定申告は必要です。忘れないようにしましょう。
まとめ

不動産を売却したくても、年金受給額が減る心配があって動けていない人も多いのではないでしょうか?年金制度は保険制度も関わっていて理解することが大変です。基本的に年金受給額は減額にならないので安心してください。
「エル・アンド・クリエイション株式会社」では、ファイナンシャルプランナーも在籍していますので、年金はもちろん不動産と関係するお金のことも、お気軽にご相談ください。
【監修者】エル・アンド・クリエイション株式会社 代表取締役 吉永邦昭
大手不動産ディベロッパーで、用地開発や取得から販売まで一連の業務に携わり、
建築設計業では意匠設計、大手ゼネコンの現場で建築設計の両面から設計に関わる。
2019年に会社設立して、東京と大阪オフィスにて全国の不動産の取り扱いをしている。
【保有資格】宅地建物取引士 ファイナンシャルプランニング技能士
相続診断士 空き家活用士 競売不動産取扱主任者 カラーコーディネーター