
そろそろ住み替えや不動産売却を考えているが、ローンが残っていたら売却できるのかと悩まれている人は多いのではないでしょうか。そんな疑問を解決すべく、ローンを返済して不動産売却する一連の流れや注意点、税制特例について解説していきます。
ローン残債がある不動産の売却方法

ローン残債のある不動産を売却するとき、ローンが残ったままでは売却ができません。ローン残債が残っている間は、金融機関が抵当権を設定しているからです。抵当権を抹消するには、ローンを返済しなければなりません。
抵当権とは、金融機関がお金を貸すときに、借りた人が返済できないリスクに備えて、土地や建物を担保にする権利です。借りた人の支払いが滞ったときは、抵当権者は担保のついた不動産を競売にかけて、売買代金から弁済を受けることができます。抵当権が設定された不動産のことを抵当物件といいます。
返済方法は2種類

返済は自己資金でする方法と売却代金でする方法の2種類があります。どちらにしても大きな資金が必要になるので、無理に返済しないよう計画をたてましょう。
自己資金で返済
抵当権を抹消するには、ローンの残債を一括返済する必要があります。
売却代金を充当せずに自己資金で先に全額返済するときは、不動産の売却を決めた時点で金融機関に連絡をしましょう。不動産の売却がすぐに決まって買主がすぐに引渡して欲しいといわれると、抵当権の抹消が間に合わない可能性もあります。
金融機関が抵当権の抹消を行うまでには、一般的に2週間程度かかります。金融機関によっては、抵当権抹消までに必要な期間が変わりますので、余裕を持って1ヵ月くらい前には連絡するようにしましょう。特に外資系の金融機関は注意しましょう。
抵当権の抹消は自分で行うこともできますが、複雑な手続きで間違いがおこって決済当日に決済できなくなるのも困るので、司法書士に依頼されることをおすすめします。
売却代金を充当せずに自己資金で先に全額返済するときは、不動産の売却を決めた時点で金融機関に連絡をしましょう。不動産の売却がすぐに決まって買主がすぐに引渡して欲しいといわれると、抵当権の抹消が間に合わない可能性もあります。
金融機関が抵当権の抹消を行うまでには、一般的に2週間程度かかります。金融機関によっては、抵当権抹消までに必要な期間が変わりますので、余裕を持って1ヵ月くらい前には連絡するようにしましょう。特に外資系の金融機関は注意しましょう。
抵当権の抹消は自分で行うこともできますが、複雑な手続きで間違いがおこって決済当日に決済できなくなるのも困るので、司法書士に依頼されることをおすすめします。
売却代金で返済
一般的にはこちらの不動産売却代金を返済に充当するケースが多いです。
不動産売却の決済のときに買主から支払われた代金でローンを全額返済して同時に抵当権の抹消を行います。この方法のときも、不動産売却を決めた時点で金融機関に連絡して、決済日が決まったら再度連絡するようにしましょう。決済日までは金融機関によってかわりますが、2週間~1ヵ月程度余裕を見ておけば大丈夫です。
こちらの場合も抵当権の抹消は、間違いがおこって決済当日に決済できなくなるのも困るので、司法書士に依頼されることをおすすめします。
不動産売却の決済のときに買主から支払われた代金でローンを全額返済して同時に抵当権の抹消を行います。この方法のときも、不動産売却を決めた時点で金融機関に連絡して、決済日が決まったら再度連絡するようにしましょう。決済日までは金融機関によってかわりますが、2週間~1ヵ月程度余裕を見ておけば大丈夫です。
こちらの場合も抵当権の抹消は、間違いがおこって決済当日に決済できなくなるのも困るので、司法書士に依頼されることをおすすめします。
一括返済するときの注意点

ローンを一括返済するときには手数料がかかることに注意しましょう。金融機関としては、規定期間の貸出で規定分の利息を受取る計画で融資しています。一括返済により、想定していた利息がとれなくなるので、手数料がかかることがほとんどです。手数料の金額は金融機関によってかわります。
また手数料は店頭返済とネット返済で金額がかわることもあります。あわせて金融機関に確認をしてみましょう。
ローンを一括返済すると戻ってくるお金があります。戻し保証料、火災保険の解約返戻金についてもみていきましょう。
戻し保証料
昔はローンを組むとき、連帯保証人を求められることが多かったのですが、最近では保証会社に保証料を支払って保証してもらうことが一般的です。
保証金の支払いは、借入時に一括で支払う方法と、毎月の支払いと合わせて支払う方法があります。
保証料の支払いを借入時に一括で支払ったときは、繰上返済時に残期間に応じた保証金の返還を受けることができます。返還額は金融機関ごとに定められた手数料や返戻率によってかわるので確認してください。
保証金の支払いは、借入時に一括で支払う方法と、毎月の支払いと合わせて支払う方法があります。
保証料の支払いを借入時に一括で支払ったときは、繰上返済時に残期間に応じた保証金の返還を受けることができます。返還額は金融機関ごとに定められた手数料や返戻率によってかわるので確認してください。
火災保険の解約返戻金
住宅ローンを借りるとき、火災保険の契約も必要です。住宅ローンと火災保険はセットと考えている人も多いですが別の契約です。
ローンを完済したら、火災保険の解約返戻金があるかどうか確認しましょう。火災保険の解約は、保険証券や保険内容のご確認に記載されている保険代理店、保険会社コールセンターに連絡します。一般的に解約返戻金は月単位で計算するので、月計算が同じなら数日ずれても返戻金はかわりません。
ローンを完済したら、火災保険の解約返戻金があるかどうか確認しましょう。火災保険の解約は、保険証券や保険内容のご確認に記載されている保険代理店、保険会社コールセンターに連絡します。一般的に解約返戻金は月単位で計算するので、月計算が同じなら数日ずれても返戻金はかわりません。
譲渡損失がでたときの税制特例

オーバーローンになったときは、居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例が使える可能性があります。
オーバーローンとは、ローン残高が不動産の時価を上回っていて、不動産を売却してもローンを完済できない状態のことです。
この特例は、マイホームを住宅ローンの残高より低い価格で売却して損失が出たときに、一定の要件を満たしていれば、確定申告することで譲渡損失をその年の他の所得から控除することができる制度です。その年に損益通算しても控除しきれなかったときは、翌年以後3年内に繰越して繰越控除することができます。
引渡日当日の決済の流れ

不動産を売却したときの決済当日の流れをみていきましょう。不動産売却を大きなお金が動き、決済当日は緊張するものです。あらかじめ流れを知っていると余裕を持って決済当日をむかえられるので参考にしてください。
司法書士が登記関係の書類を確認
決済は金融機関ですることが多く、売主、買主、司法書士、不動産会社の担当者が集まります。
最初に、司法書士が身分証明書で売主の本人確認をします。お互いに顔見知りであっても、必ず身分証明書で確認をします。
次に、司法書士が権利証(登記識別情報)、実印、印鑑証明書など、登記に必要な書類がそろっているか確認します。登記を司法書士に依頼するときは、委任状に署名と捺印が必要です。登記関係の必要書類に問題がなければ、ローンの担当者へ融資実行を依頼します。
最初に、司法書士が身分証明書で売主の本人確認をします。お互いに顔見知りであっても、必ず身分証明書で確認をします。
次に、司法書士が権利証(登記識別情報)、実印、印鑑証明書など、登記に必要な書類がそろっているか確認します。登記を司法書士に依頼するときは、委任状に署名と捺印が必要です。登記関係の必要書類に問題がなければ、ローンの担当者へ融資実行を依頼します。
決済金の支払い
ローン実行の手続きには時間がかかります。待っている間に金融機関の出金伝票や振込伝票を記入します。買主が支払う費用と売主が支払う費用をまとめておきます。
(買主が支払う費用)
・残代金(売主)
・固定資産税分担金(売主)
・仲介手数料(不動産会社)
・登記費用(司法書士)
※残代金と固定資産税負担金は、まとめて払っても別々に払ってもどちらでもかまいません。
(売主が支払う費用)
・ローンの一括返済費用(金融機関)
・仲介手数料(不動産会社)
・登記費用(司法書士)
不動産売却の登記費用は一般的に買主が支払います。売主は売渡証書のほか、必要に応じて住所変更登記や抵当権抹消登記の登記費用を司法書士に支払います。
(買主が支払う費用)
・残代金(売主)
・固定資産税分担金(売主)
・仲介手数料(不動産会社)
・登記費用(司法書士)
※残代金と固定資産税負担金は、まとめて払っても別々に払ってもどちらでもかまいません。
(売主が支払う費用)
・ローンの一括返済費用(金融機関)
・仲介手数料(不動産会社)
・登記費用(司法書士)
不動産売却の登記費用は一般的に買主が支払います。売主は売渡証書のほか、必要に応じて住所変更登記や抵当権抹消登記の登記費用を司法書士に支払います。
ローン返済手続き
買主から残代金を受け取り、不動産会社へ仲介手数料を支払ったら、売主から金融機関にローン残債を支払います。オーバーローンになるときは、不足分を自己資金で用意する必要があります。ローンが完済できなければ、売買が成立しないので注意しましょう。
抵当権抹消手続き
ローンを完済したら、抵当権の抹消手続きをします。個人でもできますが、確実に決済を完了するためにも司法書士に依頼することをおすすめします。買主がローンを組んで不動産を購入するときは、新しく買主の抵当権が設定されます。
鍵や物件関係書類の引渡し
鍵や物件関係書類を買主に引渡します。土地があるときは、境界確認資料や図面、測量図などを引き継ぎます。マンションのときは、管理会社に提出する書類や連絡が必要なので注意しましょう。
登記手続き
決済が終わってから、司法書士が法務局に登記手続きに行きます。決済してから数日後、買主に新しい登記識別情報通知が届くので大切に保管してください。
(参考)仲介手数料
不動産会社に支払う仲介手数料は売買価格に応じて上限額が定められています。
200万円以上300万円未満 5% + 消費税
300万円以上400万円未満 4% + 2万円 + 消費税
400万円以上 3% + 6万円 + 消費税
買主は買主側の不動産会社へ、売主は売主側の不動産会社へそれぞれ支払います。
仲介手数料については、下記のリンクの記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
200万円以上300万円未満 5% + 消費税
300万円以上400万円未満 4% + 2万円 + 消費税
400万円以上 3% + 6万円 + 消費税
買主は買主側の不動産会社へ、売主は売主側の不動産会社へそれぞれ支払います。
仲介手数料については、下記のリンクの記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
抵当権抹消手続きの流れと費用

抵当権の抹消手続きは司法書士に依頼することおすすめしますが、抵当権抹消手続きの流れと費用について理解しておく方が良いでしょう。抵当権抹消手続きの流れとかかる費用についてみていきましょう。
抵当権抹消手続きの流れ
①金融機関から抵当権抹消に必要な書類が郵送される
②登記事項証明書を法務局で取得する
※登記上の住所・氏名が申請時点で変わっているときは所有権登記名義人表示変更登記の登記申請が必要
③登記申請書を作成して法務局へ申請する
④抵当権抹消が完了したら法務局で書類を受け取る
②登記事項証明書を法務局で取得する
※登記上の住所・氏名が申請時点で変わっているときは所有権登記名義人表示変更登記の登記申請が必要
③登記申請書を作成して法務局へ申請する
④抵当権抹消が完了したら法務局で書類を受け取る
抵当権抹消手続きの費用
抵当権抹消にかかる費用は2種類に分けられます。
・抵当権抹消登記に必要な登録免許税
不動産の数1個あたり1,000円の登録免許税がかかります。土地と建物それぞれの抵当権抹消登記申請を行うときは2,000円の登録免許税がかかります。法務局に抵当権抹消登記申請を行うときの登記申請書に収入印紙を貼って納付を行います。
・司法書士への報酬
司法書士に抵当権抹消登記を依頼するときは、司法書士報酬が必要です。報酬の相場は司法書士事務所によってかわりますが、5,000円~15,000円程度が相場です。
・抵当権抹消登記に必要な登録免許税
不動産の数1個あたり1,000円の登録免許税がかかります。土地と建物それぞれの抵当権抹消登記申請を行うときは2,000円の登録免許税がかかります。法務局に抵当権抹消登記申請を行うときの登記申請書に収入印紙を貼って納付を行います。
・司法書士への報酬
司法書士に抵当権抹消登記を依頼するときは、司法書士報酬が必要です。報酬の相場は司法書士事務所によってかわりますが、5,000円~15,000円程度が相場です。
まとめ

ローン残債がある不動産でも売却はできます。一連の流れを把握することで、落ち着いて不動産の決済に臨むことができます。また譲渡損失がでたときには、税制特例を使うこともできるので、しっかりと理解しておきましょう。
「エル・アンド・クリエイション株式会社」では、ファイナンシャルプランナーが在籍していますので、ローンや税金についても、お気軽にお問合せください。
【監修者】エル・アンド・クリエイション株式会社 代表取締役 吉永邦昭
大手不動産ディベロッパーで、用地開発や取得から販売まで一連の業務に携わり、
建築設計業では意匠設計、大手ゼネコンの現場で建築設計の両面から設計に関わる。
2019年に会社設立して、東京と大阪オフィスにて全国の不動産の取り扱いをしている。
【保有資格】宅地建物取引士 ファイナンシャルプランニング技能士
相続診断士 空き家活用士 競売不動産取扱主任者 カラーコーディネーター