ご相談から売却完了まで手厚くサポート

CONTENT コンテンツ

【不動産売却】法人の税金の基礎知識と節税方法、法人と個人の違い

ビル群の前に緑が広がる

法人と個人では売却したときの税金の計算が違います。節税の方法も全くかわってきますので、きちんと理解しておきましょう。ここでは、法人がかかってくる税金から、不動産に関係することまで解説していきます。

法人が不動産売却するときにかかる税金

会議室に机と椅子がある

法人が不動産売却するときにかかる税金は、5種類あります。ひとつずつみていきましょう。

法人税

法人税は、株式会社や協同組合などの法人が事業活動で得られた所得にかかる税金です。

法人税の計算式は、課税所得×税率です。法人税の課税所得は、税金を計算するときの基準となる収益である益金から、費用の損金を差し引いて算出します。

益金は商品などを販売して得た売上による収入や土地や建物の売却で得た収入が該当します。損金は原材料費・人件費、災害による損失などが該当します。

法人税の税率は、法人の種類や資本金額などで変わります。事業開始が平成31年4月1日以後であるとき、普通法人(株式会社・合名会社など)の法人税率は以下の通りです。


(資本金1億円以下の法人)
年800万円以下の部分  15%(適用除外事業者は19%)
年800万円超の部分    23.20%
(上記以外の普通法人)   23.20%
※適用除外事業者とは、その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人

法人住民税

法人住民税は、法人の事業所がある地方自治体に納める税金です。法人税が国に納める国税であるのに対し、法人住民税は地方税になります。法人住民税は、都道府県に納める都道府県民税と市町村に納める市町村民税の2種類があります。

法人住民税の計算式は、法人税割+均等割です。法人税割は、法人税額に税率をかけて算出します。均等割は、法人の資本金や従業員数などによって納税額が決まるので、所得の金額に関わらず定額です。

法人税割の税率や均等割の金額は、自治体によってかわります。東京都の場合について見ていきましょう。法人税割の税率は、超過税率と標準税率の2種類に分かれています。株式会社や合名会社などの普通法人の場合は、資本金の額または出資金の額が1億円を超えると超過税率が適用されます。

資本金の額または出資金の額が1億円を超えていなくても、法人税額または個別帰属法人税額が年1,000万円超であれば超過税率の対象です。具体的な法人住民税の税率は、以下の通りです。


(令和元年10月1日以後に開始する事業年度における法人税割の税率)
23区内 (標準税率) 7.0%  (超過税率) 10.4%
23区外 (標準税率) 1.0% (超過税率) 2.0%

法人事業税

法人事業税は、法人が行う事業にかかる税金です。法人住民税と同様で地方税になります。

法人事業税の計算式は、課税所得×法人事業税率です。税率は、資本金や出資金、所得額などでかわります。

また、株式会社や合名会社などの普通法人のとき、東京都では資本金額または出資金額が1億円を超えると超過税率が、それ以外のときは標準税率が適用されます。

資本金額または出資金額が1億円以下でも年所得額が2,500万円超または年収入金額が2億円超であれば、超過税率の対象です。

また、資本金額と出資金額のどちらかが1,000万円未満であれば、軽減税率が適用されます。

令和2年4月1日以降の事業年度における軽減税率適用後の税率は、以下の通りです。軽減税率が適用されない法人は、所得にかかわらず、(標準税率)7.0%、(超過税率)7.48%がかかります。


(軽減税率適用後の税率)
年400万円以下の所得   (標準税率)3.5% (超過税率)3.75%
年400万円超え年800万円以下の所得  (標準税率)5.3% (超過税率)5.665%
年800万円を超える所得  (標準税率)7.0% (超過税率)7.48%

地方法人税

地方法人税とは、法人が事業で得た所得にかかる税金です。平成26年の税制改正で、新たに創設されました。名前に地方とありますが、法人税と同様で国税です。

地方法人税の計算式は、法人税額×税率です。税率は、一律10.3%です。

消費税

法人が不動産を売却すると、消費税がかかる場合があります。

土地のみの売却は、権利の移転とみなされるので消費税はかかりません。建物の売却は、付加価値を生む取引として扱われるので、消費税がかかります。

買主が支払った消費税は、売主である法人が原則として国に納めなければなりません。ただし消費税を納める必要があるのは、消費税の課税事業者です。消費税の課税事業者については、以下の通りです。

(消費税の課税事業者の条件)
・前々年度の売上高が1,000万を超えた事業者
・資本金が1,000万以上の事業者(前々年度の売上がなくても、すぐ課税事業者となる)
・資本金1,000万未満でも以下に該当する事業者
 ①株主から直接または間接に50%超の株式等の出資を受けているなど、実質的にその株主に支配されている
 ②上記①の株主またはその株主と一定の特殊な関係にある法人のうち、前々年度からの売上が5億円超である
 (前々年度の売上がなくても、すぐ課税事業者となる)
・事業年度開始の日から6カ月間の売上高が1,000万円を超える事業者
 ※事業年度開始の日から6カ月間の売上高が1,000万円を超えているかの判定は、売上に代えて、給与により判定することもできます。事業年度開始の日から6カ月間の売上高が1,000万円を超えたとしても、給与が1,000万円を超えていない方を用いれば、課税事業者の要件には該当しません。

個人が不動産売却するときにかかる税金

女性がパソコンの前で頭をかかえて悩んでいる

個人が不動産売却するときには、利益に対して譲渡所得税と住民税がかかります。

また、令和19年までは、復興特別所得税も追加で納めなければなりません。税額は所得税額の2.1%です。

譲渡所得税の計算は、分離課税になります。他の所得とは合算されず、譲渡所得に売却した不動産の所有期間に応じて、以下の税率をかけて税額を算出します。

また、売却した不動産の所有期間が10年を超えているときは、軽減税率が適用されます。6,000万円以下の譲渡所得は、税率が14.21%となります。6,000万円を超える譲渡所得の税率は、通常の長期譲渡所得と同様に20.315%です。


(譲渡した不動産の所有期間と税率)
5年以下(短期譲渡所得):39.63% (所得税率30.63% +住民税率9%)
5年超 (長期譲渡所得):20.315%(所得税率15.315%+住民税率5%)

個人が不動産売却したときのに譲渡所得税の詳細については、こちらの記事も参照ください

法人と個人における収益・経費の考え方

パソコンの前でスーツを着た男性が手振りを交えて話をしている

個人が不動産売却するときの所得税と法人が不動産売却するときの法人税は、利益から必要経費を差し引いた所得にかかるという点では共通しています。ただ、個人と法人では収益や経費の考え方が違います。

法人は、事業や不動産売却などで得たすべての収入から、必要経費の合計を差し引いて求めた所得が課税対象になります。

個人は、所得の種類が事業所得や譲渡所得や給与所得など複数あります。

そのために所得の種類ごとに収入と経費を集計して、所得を算出します。計算方法は、所得の種類によって違ってきます。

法人が不動産売却するときの経費の算出方法

税金の課税対象となる利益をだすためには、不動産売却の経費を算出しなくてはいけません。法人の不動産売却でも、印紙代や不動産会社への仲介手数料などの経費がかかります。中でも、売却する不動産の経費としての価値、いわゆる売却時点での帳簿価額が大切です。

土地は、造成などをしていない限り、取得時の価格と帳簿価格は同じです。建物は、経年劣化するので、取得時の価格から減価償却累計額を差し引いた金額が帳簿価格となります。減価償却とは、時間の経過とともに低下したと考えられる価値を減価償却費として経費に計上します。

法人の不動産売却日の決め方

緑を背景に手の上に家の形をしたものを持っている

法人が不動産売却するときは、不動産売却日の考え方が個人とは違います。不動産譲渡日の定義は、不動産の引渡し日が原則となっています。例外として、不動産売却の契約を締結した日を売却日とすることもできます。

不動産売却の契約を締結した日と不動産の引渡し日の事業年度が違うときは、どちらを売却日として選ぶかによって収益や税金の計算が違ってきます。ただし、土地のみの売却のときは、売買価格の約50%を収受した日か所有権移転登記申請日の早い方を採用します。

法人が不動産売却するときの税金対策

お金の上に家の模型が2つある

法人が不動産売却で利益がでると、法人税や法人住民税などの負担が増えてしまいます。税負担を抑えるためには、対策が必要です。ここでは、法人が不動産を売却したときの税金対策について解説していきます。

役員の退職金に充てる

不動産売却代金を役員の退職金として支払う方法があります。役員に支払った退職金は、損金に参入されるため、法人の利益が減って税負担を軽減できます。

受け取った退職金は所得税や住民税がかかりますが、課税対象になるのは退職金の支給額ー退職所得控除×1/2です。退職所得控除は勤続年数によってかわり、多額の退金を受け取ったとしても課税対象は大幅に軽減されます。

そのため役員の退職に合わせて不動産を売却し、売却金を退職金の原資として支給することは、総合的な税負担を軽減できる可能性があります。


(勤続年数による退職所得控除額)
勤続年数20年以下:40万円×勤続年数 ※下限80万円
勤続年数20年超 :800万円+70万円×(勤続年数 – 20年)

設備投資をする

不動産の売却代金を新たな不動産の購入、事務所のリフォーム、パソコンなど機器の購入、社用車の買換えなど設備投資に充てることで税負担を軽減することもできます。

設備投資をするときは、中小企業投資促進税制を活用しましょう。中小企業投資促進税制を適用すると、1台160万円以上の機械装置や1つにつき70万円以上のソフトウェアなどを取得すると、以下の特別償却または税額控除が受けることができます。


・取得価額の30%を特別償却
・取得価額の7%を税額控除


特別償却は、通常の減価償却費に加えて一定の金額を経費(損金)に計上できる制度です。

税額控除は、法人税額から一定の金額を直接差し引けます。

中小企業投資促進の対象は、青色申告で、所定の要件を満たす中小企業や農業協同組合などです。制度を利用するためには、令和5年3月31日までに制度の対象になる機械や装置などを取得する必要があります。

まとめ

まとめという文字が書かれた木の左に家の模型がある

法人が不動産を売却して得た利益は、法人税や法人事業税などの課税対象です。法人は、不動産の売却だけでなく会社経営におけるすべての損益を合算した上で税額を算出します。法人が不動産を売却したときに課せられる税金の種類や税額の計算方法は、専門知識がなければ難しい項目です。不動産売却を検討しているのであれば、法人との不動産取引実績が豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。

「エル・アンド・クリエイション株式会社」では、事業用不動産の取引も数多く手掛けております。お気軽にお問合せください。


【監修者】エル・アンド・クリエイション株式会社 代表取締役 吉永邦昭
大手不動産ディベロッパーで、用地開発や取得から販売まで一連の業務に携わり、
建築設計業では意匠設計、大手ゼネコンの現場で建築設計の両面から設計に関わる。
2019年に会社設立して、東京と大阪オフィスにて全国の不動産の取り扱いをしている。

【保有資格】宅地建物取引士 ファイナンシャルプランニング技能士
相続診断士 空き家活用士 競売不動産取扱主任者 カラーコーディネーター

✉ お問合せはコチラ ✉