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【不動産売却】空き家の3000万円控除とは?他の特例との関係や節税方法

空き家という文字を虫眼鏡で見ていて、左に家の置物がある

空き家を相続して、利用する予定がなく放置している人は多いのではないでしょうか。昨今、空き家を放置することで倒壊の恐れや住環境の悪化、放置し続けて二次、三次相続で所有者が不明になったり、共有者が多くなって売却できなくなることが社会問題となっています。そのため、空き家をなくすために最大600万円の節税ができる制度ができました。ここでは、空き家の3000万円控除特例の概要とその他の特例の関係性、節税方法について解説していきます。

空き家を放置する問題点

古家に草が生い茂っている

空き家を放置する問題としては、空き家の倒壊や火事で他人に怪我をおわせたときに、管理責任を問われて損害賠償請求をされる可能性があることです。損害賠償は多額な補償を求められるので、トラブルの火種を残さないように努めることが大切です。

国としても未然に事故をなくすための施策を打ち出してきました。2015年に空き家をなくすために管理が不十分で倒壊の危険がある空き家に固定資産税の負担をあげたり、2016年に空き家の売却をすすめるために被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(以降、空き家の3000万円控除特例と記載)を創設して譲渡税を節税できるようにして、空き家をなくす動きがでてきています。

特定空き家は固定資産税の負担アップ

土地にかかる固定資産税は土地の上に居住用不動産が建っているとき、税額を6分の1に減額する優遇措置があります。そのため、誰も住まなくなった古い空き家でも、固定資産税の負担を抑えるために壊さずに放置されることが多いのです。

しかし、特定空き家に指定されると、指定された空き家が建っている土地は固定資産税の優遇措置を受けることができません。軽減率は、固定資産税について6分の1(敷地面積200㎡を超える部分は3分の1)、都市計画税について3分の1なので、特定空き家に指定されると固定資産税の負担は6倍、都市計画税の負担は3倍になります。

倒壊や失火などのリスクがある上に、固定資産税の軽減も受けられないとなれば、空き家を放置しておくメリットはありません。相続したものの、今後も利用する予定がない不動産については、早々に売却する方がよいでしょう。

空き家の3000万円控除特例とは?

女性がわからない表情をしていて両手の上にはてなマークがある

不動産売却したときは、譲渡所得に対して譲渡所得税がかかります。自分の住んでいる家を売るときは、居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例(以降、マイホーム特例と記載)を利用して、譲渡所得から3000万円を控除できます。

空き家についても一定の条件を満たせば、譲渡所得から3000万円を控除できるようになりました。相続した不動産を売却するとき、譲渡価格から控除できる取得費は、被相続人が取得した金額で、相続したときの時価ではありません。取得したのが昔であれば、だいぶ安い可能性があります。

また、取得費がわかる資料を紛失していると取得費は譲渡価格の5%を取得費とみなして、95%に対して課税されます。空き家の3000万円控除特例を受けて売却できるかどうかは税金の負担として大きな問題です。

空き家の3000万円控除特例の条件

スーツを着た人が家の前で握手をしている

空き家の3000万円控除特例は、老朽化して倒壊しそうな建物をなくすための制度です。そのため、昭和56年5月31日以前に建築された建物とその土地が対象となります。

また、売却のときは建物を取り壊して更地にするか、リフォームをしてから譲渡する必要があります。

売却した翌年の確定申告の期限内(2月16日から3月15日)に申告が必要です。空き家特例の適用を受けるためには、通常の確定申告の必要書類の他に、不動産の所在地の自治体から被相続人居住用家屋等確認書を取得する必要があります。更地にして売却したときと、リフォームをして売却したときでは、必要な書類が違いますので注意してください。

その他にも条件がありますので見ていきましょう。条件には、相続開始時点で満たすべき条件と、相続してから売却時までに満たすべき条件があります。条件を一つでも満たさないときは、特例を受けることができないので注意してください。


(相続開始時点で満たすべき条件)
・昭和56年5月31日以前に建築された建物であること
・区分所有建物でないこと
・被相続人が一人暮らしだったこと

(相続してから売却時までに満たすべき条件)
・空き家を相続した人が売却すること
・売却代金が1億円以下であること
・建物を取り壊すかリフォームをして売却すること
・相続開始日から3年後の年末までに売却すること
・相続から譲渡まで空き家であること
・特別な関係者への売却でないこと

個人の確定申告については、こちらの記事も参照ください

昭和56年5月31日以前に建築された建物であること

空き家の3000万円控除特例には、耐震性の基準が緩い時代に建てられた建物をなくす目的があるため、新耐震基準に移行する昭和56年5月31日以前に建築された建物とその土地です。

区分所有建物でないこと

マンションなどの区分所有建物は空き家の3000万円控除特例の対象外です。特例を受けられるのは戸建住宅の売却だけです。

被相続人が一人暮らしだったこと

空き家の3000万円控除特例は空き家をなくすことを目的としているので、対象の不動産で亡くなった人が一人暮らしである必要があります。配偶者や子供など相続開始時点で被相続人と同居している人がいたときは空き家の3000万円控除特例を受けることができません。

そのときはマイホーム特例を受けられる可能性があります。また、以前は相続開始の直前まで被相続人が建物に居住していることが条件となっていましたが、平成31年度税制改正により、被相続人が老人ホーム等に移って、相続開始の直前に対象の不動産に居住していなかったとしても、以下の条件を満たせば適用対象となりました。

・被相続人が老人ホーム等に入所した時点で要介護や要支援認定を受けていて、
 相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていること。
・被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、
 その建物に被相続人による一定の使用があり、事業用、貸付用、被相続人以外
 の人の居住用に使用していないこと。

空き家を相続した人が売却すること

空き家の3000万円控除特例は、相続により空き家を取得した人が売却したときだけ有効です。空き家を相続した人から、贈与や二次相続により空き家を取得したときは、売却しても特例を受けられません。

売却代金が1億円以下であること

空き家の3000万円控除特例は売却価格の上限があり、売却価格が1億円を超えるときは特例を受けられません。共同で相続したり、共有の不動産を売却するときは、特例を受ける人の受取価格ではなく、不動産全体の売却価格で判定されます。

また、複数年に分けて売却したときでも合算して判定されるため、合計額が1億円を超えたときは特例を受けられません。

建物を取り壊すかリフォームをして売却すること

空き家の3000万円控除特例は旧耐震基準の建物をなくすことを目的としているため、売却のときには建物を取り壊して更地の状態で売るか、建物をリフォームした上で売る必要があります。

リフォームは一般的に100万円以上の費用がかかるにも関わらず、そこまで費用をかけても古い建物の価値が上がることはほとんどないので、取り壊して更地で売却することが多いです。取り壊しの時期は必ず売却の前でないといけません。特に不動産業者へ売却するとき、知り合いの解体業者を使って安く解体できるので、現況の建物付きで少し価格を下げて売って欲しいと打診されることがあります。

特例を受けるならば、必ず売却前に取り壊すことを条件にして話をしましょう。すでに建物に耐震性があるときはリフォームする必要はありません。

相続開始日から3年後の年末までに売却すること

空き家の3000万円控除特例は、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに行われた譲渡に対して適用されます。

相続から譲渡まで空き家であること

相続開始から譲渡のときまでに建物と土地が事業用、貸付用、居住用に使用されたときは特例を受けられません。

一時的であっても、誰かが建物に住んだり、建物を取り壊して駐車場として貸したときは特例を受けられません。売却するまで有効活用しようとして賃貸にだしてしまうと、逆に損してしまう可能性があるので注意しましょう。

特別な関係者への売却でないこと

親子や夫婦など特別の関係がある人に売却したときは、特例を受けられません。特別の関係は、生計同一親族、建物を売った後その売った建物で同居する親族、内縁配偶者、特殊な関係のある法人なども含まれます。

空き家の3000万円控除特例とマイホーム特例の違い

家の模型が2つ並んでいる

空き家の3000万円控除特例は不動産を売却したときの譲渡所得から3000万円を控除する制度ですが、同様の制度として、マイホーム特例があります。自分の住んでいる建物や土地を売却したときの譲渡所得から3000万円を控除する制度です。

マイホーム特例は、建物に住まなくなった日から3年後の年末までに売却しなければならないなどの条件はありますが、空き家の3000万円控除特例とは違い相続開始の前後を問わずに利用することができます。

相続開始時点で対象不動産に被相続人以外の居住者がいるときは、空き家の3000万円控除特例を受けることはできませんが、その居住者が不動産を相続したうえで売却すれば、マイホーム特例の3000万円控除を受けることができます。

相続した不動産の売却を検討しているときは、誰が不動産を相続するかによって売却後の手取り金額が大きく変わる可能性があるので、遺産分割協議の段階で専門家に相談の上、適切に遺産分割することをおすすめします。

マイホーム特例と空き家の3000万円控除特例は併用して適用することができますが、同一年内に併用するとき、2つの特例を合わせて3000万円が控除の限度額となります。

また、マイホーム特例を受けたときは、その年・翌年・翌々年まで他の不動産を売却したときにマイホーム特例や住宅ローン控除を受けることができません。空き家の3000万円控除特例には制限はないため、マイホーム特例や住宅ローン控除と併用して受けることができます。

マイホーム特例については、こちらの記事も参照ください

空き家の3000万円控除特例とその他の特例

家の置物の奥にペンを持った手がある

相続税の申告のときや相続した不動産を売却するときには、空き家の3000万円控除特例やマイホーム特例以外にも小規模宅地等の特例という特例があります。小規模宅地等の特例は、被相続人が居住用や事業用として使用していた土地に条件を満たす人が相続したとき、相続税評価額を最大80%減額できる制度です。

自宅のとき、配偶者、同居親族、持ち家を所有していない親族が自宅の敷地を相続したときに小規模宅地等の特例を受けられます。

ただし、空き家の3000万円控除特例を受けるためには同居親族がいないことが条件の一つですが、配偶者が別居しているケースはあまりなく、実際に空き家の3000万円控除特例と小規模宅地等の特例を併用するケースとしては持ち家を所有していない親族が自宅の土地を相続したときがほとんどです。

この適用を受けるためには、空き家を相続した人が相続開始前3年以内に持ち家を所有したことがなく配偶者や一定の親族等の持ち家に居住したこともない事が条件になります。

また、相続税の申告期限までは、相続した不動産を所有していることも条件となるため、相続してからすぐに売却しないよう注意しましょう。

空き家の3000万円控除特例を最大活用する節税方法

お金の上に家の模型が2つある

空き家の3000万円控除特例は、条件を満たせば対象者ごとに適用することができます。うまく利用すれば600万円以上の節税をすることができます。

例えば、一人暮らしの親が亡くなり子供2人で空き家を共有で相続したとき、相続人ごとに空き家特例を利用して、それぞれの譲渡所得から3000万円ずつ控除することができます。2人合わせて6000万円の控除を受ければ、1200万円もの減税になります。

遺産分割のときには、特定の方が不動産を単独で取得して、他の方は預貯金等で取得することが多いですが、相続後に不動産売却を予定している人は、不動産を共有で相続して売却した方がメリットを受けられる可能性があります。

ただし、共有名義で相続した不動産は、共有者全員の同意がないと売却をすることはできません。空き家の3000万円控除特例による節税を最大限に利用するのであれば、遺産分割協議の段階で空き家を売却することを前提に話を進めるようにしましょう。

Q&A

Q&Aの文字をつみきで表している

ここからは空き家の3000万円控除特例について、よくいただく質問をQ&A形式で解説していきます。

売買契約書に土地の引渡し後に建物を取り壊す特約があるとき、特例を受けることはできる?

建物を取り壊して売却するという条件を満たさないため、特例を受けることはできません。空き家の3000万円控除特例の適用を受けるためには、リフォーム後に売却するか、空き家を取り壊して売却することが条件になります。

売買契約書に引き渡し後の売却が定められていたとしても、引渡し前に取り壊しされていなと特例を受けることはできません。

相続開始時に空き家で住民票での確認ができないとき、被相続人居住用家屋等確認書の交付を受けることはできる?

代替書類・補完書類の提出や申請者へのヒアリングにより交付されることがあります。

空き家の3000万円控除特例を受けるためには、確定申告で被相続人居住用家屋等確認書を添付しなければなりません。確認書の申請のときは、空き家であったことを証する書面として被相続人の住民票や相続人の住民票等を提出します。

もし住民登録を移していなかったなどの理由で、住民票の記載から空き家である事の確認ができないときでも、代替書類・補完書類の提出や申請者へのヒアリングにより、空き家であったことが確認できるときは、確認書が交付されることがあります。詳しくは申請先の市区町村役場に相談してください。

老人福祉施設ではなく、介護のために子供の家に移ってから亡くなったときも特例は使える?

親族の家や一般の賃貸住宅に転居して亡くなったときは、特例を受けることができません。空き家の3000万円控除特例は相続開始の直前に被相続人が一人暮らししていたことが条件になります。

老人ホームに移ったときは特例を受けることはできますが、親族の家や一般の賃貸住宅に引越した後に亡くなったときは、介護のためであっても特例を受けることはできません。

まとめ

まとめという文字が書かれた木の左に家の模型がある

空き家を放置すると、周辺の方に迷惑をかけてしまうほか、固定資産税の額が上がってしまうなどのデメリットがあります。また、空き家の3000万円控除特例の適用期間は相続開始から3年後の年末までとなっているので、今後も使用予定がなければ早めに売却する方がよいでしょう。

空き家の3000万円控除特例は一人当たり最大600万円もの節税効果がある特例なので、条件を満たさずに売却してしまうと大きな損失になります。特例を利用するためだけでなく、相続人同士のトラブルを避けるためにも精通した不動産会社に相談するようにしましょう。

「エル・アンド・クリエイション株式会社」では、相続診断士も在籍していますので、お気軽にお問合せください。


【監修者】エル・アンド・クリエイション株式会社 代表取締役 吉永邦昭
大手不動産ディベロッパーで、用地開発や取得から販売まで一連の業務に携わり、
建築設計業では意匠設計、大手ゼネコンの現場で建築設計の両面から設計に関わる。
2019年に会社設立して、東京と大阪オフィスにて全国の不動産の取り扱いをしている。

【保有資格】宅地建物取引士 ファイナンシャルプランニング技能士
相続診断士 空き家活用士 競売不動産取扱主任者 カラーコーディネーター

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